(清算人の解任)
第五十五条の五  重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、清算人を解任することができる。

参考 旧法第55条(解散)
3 民法第七十三条から第七十六条まで及び第七十八条から第八十二条まで並びに非訟事件手続法第三十五条第二項及び第三十六条から第三十七条ノ二までの規定は、管理組合法人の解散及び清算に準用する。

一般法人法制定に伴う民法改正により民法76条(清算人の解任)の準用に代えて第55条の5が新設されました。

清算人の解任
清算人と清算法人との関係は委任契約ですから、本来は双方が何時でも解約が可能であり(民法第561条第1項)、管理組合法人の場合は裁判所の選任した場合は裁判所、それ以外の場合は総会が任免権を持っています。

任免権を持つ者はそれを通じて清算人の統制監督を行うこととなり、清算人の任務懈怠、不当・違法行為を監視し必要であればその解任を行うこととなります。このことは清算人に事故がある場合や能力不足等で清算事務に耐えられない場合等も同様です。

一方、清算が一般に多数の利害関係者を擁する社会的の関心事であることにより裁判所の後見的監督を受けることとされていますが(第56条の2)、このように解任権は清算人監督の最も重要な権限であることから、裁判所の監督権の一つとしての清算人の解任権の存在を明らかにしたのが本条の規定です。

従って、裁判所の任命ではない清算人については本条による裁判所と本来の任命権者(通常は総会)の両者の監督を受け、問題があれば解任されることとなります。

なお、任免権者である総会が適宜その監督の役割を果たせれば裁判所が関与する必要はなく問題ありませんが、本来の総会招集権を持つ清算人に清算人監督のための総会招集はあまり期待できませんので、総会とは異なり常設機関である監査人の総会招集権が重要といえます。

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