(財産目録及び区分所有者名簿)
第四十八条の2 管理組合法人は、設立の時及び毎年一月から三月までの間に財産目録を作成し、常にこれをその主たる事務所に備え置かなければならない。ただし、特に事業年度を設けるものは、設立の時及び毎事業年度の終了の時に財産目録を作成しなければならない。
2  管理組合法人は、区分所有者名簿を備え置き、区分所有者の変更があるごとに必要な変更を加えなければならない。

1.趣旨
48条の2は管理組合法人の財産目録及び区分所有者名簿に関する規定です。
旧第47条第6項にあった民法の準用規定が一般法人法成立に伴い、準用を廃止して改めて本条に規定されたものです。
2.財産目録の作成
管理組合法人自体について法には会計期間の規定がありませんので、会計期間を定めない場合に備えて設立時と毎年1月から3月の間に毎年財産目録を調定させるものが第1項本文の規定です。一見歴年度(1月から12月)の会計年度を想定しているように思われますが、「前年度の」という表現がありませんから前年12月末現在のものを作成するのではなく、毎年1月から3月までの特定の日(会計の継続性から一旦決めたらみだりに変更できないのは当然です。)現在の財産目録を作成しなければなりません。 尤も、法人化には法人としての管理規約が必要であり、管理規約には会計期間が当然記載されますから、現実に適用のある既定は第1項但書にある毎事業年度末の財産目録の作成ということになります。 3.区分所有者名簿の作成
管理組合法人は区分所有者を構成員とする社団法人(または組合)ですから、そのメンバーを確定するため名簿を調定することが総会その他の組合活動のために絶対に必要です。
この意味での必要性は法人化の有無にかかわりませんから、本来は管理組合法人の規定以前の規定にあるべき条文ともいえます。 一般に社団法人では、メンバー変更は当該法人への通知又はその承諾を要件としますが、管理組合は区分所有者の地位メンバー要件がリンクし法人への連絡を何ら要しないという特殊性を持っています。そのため一般に管理規約で地位の得喪に関して通知義務を課していますが、その義務の懈怠による瑕疵ある議決の問題の発生等の危険があり、立法的手当てが望まれるところです。

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